方針

実証主義
評価と治療で仮説を検証
関係主義
病態と機能障害の相互関係を重視
合理主義
事実と理論の矛盾を見逃さない

実証主義

 痛みの原因を特定するために詳細な評価を行う。その評価結果から多くの原因が筋スパズムであることが確認できる。また筋スパズムを取る治療で機能障害および主訴となる症状の改善が確認できる。もちろん筋スパズム以外の原因の場合も評価によって確認できるので、単一病因論に偏った診方ではない。この統合運動器Taijikセラピーの診方の妥当性は、評価及び治療を通して皆さん自身の目と手で検証することができる。

関係主義

 徒手療法の世界では長年、痛みの原因は関節か筋かという2者択一の論争が続いていた。近年になって神経がそれに加わったが、やはり単一の組織に原因を求める要素主義であった。しかし詳細な評価とともに治療に対する反応を先入観なしに見てみると関節、筋、神経は相互に関係していることが分かってきた。どれかに介入すると他も変化する。そこに脳という統括する組織を組み入れるとその相互関係が分かってきた。この関係主義に立てば様々な徒手療法の本質がわかり、単一の治療手技にこだわる必要性がないことが理解できる。

合理主義

 「なぜO脚がひどくても痛みがない患者さんがいるのか」が出発点であった。これは力学的ストレスが痛みを引き起こすという理論と事実の矛盾であった。臨床で何かおかしいと思ってもそれを見過ごしている、あるいは無視してしまうことがある。運動学的、病理学的に矛盾していても「例外」として流してしまい、いつものパターンの治療に患者さんを当てはめてしまう。それはその事実を説明づける理論が無いために、あるいは今ある常識にとらわれて思考が停止しているためである。この統合運動器Taijikuセラピーでは事実と理論の矛盾を極力無くしていくように(まだ未完成であるが)体系づけている。