イントロダクション

 学校の後輩がアメリカの大学に留学している間に、現地の病院に見学に行ったそうである。そこで腰痛の治療はどうしているのか聞いてみたところ、サブグループ化を行い治療していると、Fritzの書いた論文を紹介されたそうである。アメリカではこれが一般的だとのことであった。

腰痛患者のサブグループ化
Subgrouping patients with low back pain, evolution of a classification approach to physical therapy
Fritz JM, et al, J Orthop Sports Phys Ther. 2007;37:290-302.

• 腰痛症に対する各種の理学療法の効果はRCTで研究されたが結果が一致しない
• 非特異的腰痛症の研究の問題は患者群の不均質性があるためだろう
• 腰痛症のサブグループ化が必要
  • 病態解剖学的ベースでは10%以下しか分類できない
  • 症状・徴候ベースでの分類が適切ではないか

このような観点からいくつかのサブグループ化が試みられてきた。彼らの案は図の通りである。

 システマティックにまとめられ、なるほどと思わされるところもある。しかし疑問に思うところも散見されるので、全文を読んでみると根拠となる部分がだいぶん弱いものであった。

 1990年代よりサブグループ化の必要性が提唱されていたが、それに関する論文をほとんど読んでいなかったので、彼からこの話を聞いてから新たに勉強を始めた。